葛布になるまで 葛は蔓の長さが6メートル以上にもなるマメ科植物であり、秋の七草のひとつです。 この葛から取りだした繊維を緯糸(よこいと)として織った織物を葛布(くずふ/かっぷ)と呼びます。 その工程は全て手仕事で行われ、人と自然の素朴な息づかいを感じます。 6月から8月にかけ採取し、蔓だけにします。 輪にして大釜の煮立った湯の中に入れ、均等に煮えるよう上下を入れ替え煮ます。 煮沸されたものを流水に一晩浸します。 すすきなどの青草を敷いた床(室)に葛の束を入れ、その上を青草とむしろで覆い、二昼夜寝かし醗酵させます。 葛を床から出し、表皮を川で洗い流し、中の芯を引き出します。 苧綿を川の流れで洗い流します。 内皮は湯垢を取るため、一晩米のとぎ汁に浸します。仕上げ洗いをします。 竿に干し、半乾きの時しごいて、からみを解きます。 乾燥したものを葛苧と呼びます。 細かい葛糸に裂かれ、箸に千鳥にかけて葛つぐりにします。 葛結びをして長くなった葛糸を八の字を描くように指に巻きます。 崩れないように指から糸を抜き、 ほつれないように縛って保管します。 緯糸に葛の繊維を使い、経糸に絹や麻や木綿を用いて織ります。 ※ 詳しくは、パンフレット・ビデオ・DVDで紹介しています。