葛布になるまで

葛は蔓の長さが6メートル以上にもなるマメ科植物であり、秋の七草のひとつです。
この葛から取りだした繊維を緯糸(よこいと)として織った織物を葛布(くずふ/かっぷ)と呼びます。
その工程は全て手仕事で行われ、人と自然の素朴な息づかいを感じます。


  1. 6月から8月にかけ採取し、蔓だけにします。

  2. 輪にして大釜の煮立った湯の中に入れ、均等に煮えるよう上下を入れ替え煮ます。
    煮沸されたものを流水に一晩浸します。

  3. すすきなどの青草を敷いた床(室)に葛の束を入れ、その上を青草とむしろで覆い、
    二昼夜寝かし醗酵させます。

  4. 葛を床から出し、表皮を川で洗い流し、中の芯を引き出します。
    苧綿を川の流れで洗い流します。
    内皮は湯垢を取るため、一晩米のとぎ汁に浸します。仕上げ洗いをします。

  5. 竿に干し、半乾きの時しごいて、からみを解きます。
    乾燥したものを葛苧と呼びます。
    細かい葛糸に裂かれ、箸に千鳥にかけて葛つぐりにします。

  6. 葛結びをして長くなった葛糸を八の字を描くように指に巻きます。

  7. 崩れないように指から糸を抜き、 ほつれないように縛って保管します。

  8. 緯糸に葛の繊維を使い、経糸に絹や麻や木綿を用いて織ります。

※ 詳しくは、パンフレット・ビデオ・DVDで紹介しています。